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2005年01月29日

光触媒材料の構造と特性

アパタイトを被覆した二酸化チタン光触媒の特徴

光触媒は太陽光や蛍光灯から出る紫外線によって強力な酸化分解力を有するために、抗菌・消臭などの効果が得られ、地球環境や生活環境の浄化が期待され多くの研究がされている。アパタイトを被覆した二酸化チタン光触媒は以下のような特徴を有している。

  1. アパタイトはアルデヒド類などの有害ガスの吸着特性に優れ、光が当たらない夜間や光量が少ない場合でも有害ガスを吸着する。
  2. 光が当たると二酸化チタン表面のアパタイトに吸着している物質を二酸化チタン光触媒が分解するため、アパタイトは半永久的に物質を吸着する。
  3. アパタイトがスペーサーとなって、光触媒が直接に基材に接触しないため、基材への影響がない。

光触媒特性の調査

試料0.1gとメチレンブルー10ppm溶液5ccを試験管に取り、1時間暗室に放置した後、紫外線(強度
:1.0mW/cm2)を照射して30分ごとにメチレンブルーの吸光度の変化から光触媒効果を測定した。

結晶構造

下図に示すように、XRDにより結晶性の高いアナターゼ型の二酸化チタンと、結晶性の低い水酸化アパタイトが確認された。また、Ca/Tiのモル比の増加に伴ってアパタイトのピークが増大し、アパタイト量が増加していることがわかった。
imgxrdp.jpg

さらに、下図のEDX分析によると、TiとCaのイメージが一致することから、アパタイトは二酸化チタンの表面に析出しているものと考えられる。
imgxrdp.jpg

SEMによる観察では、下図に示すように、アパタイトは二酸化チタンの表面に析出していることがわかる。Ca/Tiモル比が多くなると析出したアパタイトが二酸化チタン粒子を包み込んでしまう様子が観察された。
imgxrdp.jpg

光触媒特性

下図からわかるように、暗室に放置するとアパタイトを被覆していない二酸化チタンにはメチレンブルーの濃度低下が認められないが、アパタイトを被覆した二酸化チタンはその被覆量に応じてメチレンブルーの濃度低下が見られる。

さらに、紫外線を照射すると、アパタイトの被覆に関係なくメチレンブルーの濃度低下が認められるが、Ca/Tiモル比が多くなると光触媒効果が鈍化することがわかった。

imgxrdp.jpg

考察

二酸化チタン粒子の表面に溶液法によって容易にアパタイトを被覆できる。アパタイトを被覆した二酸化チタンは光が当たらなくてもアパタイトの吸着特性のためにメチレンブルー濃度を低下させる。

紫外線を照射するとアパタイトの被覆量にかかわりなく良好な光触媒効果を示したが、被覆量がCa/Tiモル比が一定以上になると、アパタイトが二酸化チタンを包み込んでしまうため、光触媒性能が低下することがわかった。

投稿者 Webmaster : 12:10 | コメント (0)

樹脂や繊維への応用

アパタイトを被覆した二酸化チタン粉末は、従来の二酸化チタンでは不可能だった樹脂などへの混合ができる。光触媒を樹脂や繊維へ混合できれば、様々な容器やバスタブ、樹脂製建材、壁紙、電化製品などへ応用できる。

例えば、カビが生えにくく、シックハウス症候群の原因物質を分解する壁紙や、お湯の汚れや雑菌の繁殖を防止したバスタブ、食品の抗菌抗カビ機能のあるタッパーウェアーや包装用シート、汚れないテントなどである。

しかし、従来の二酸化チタン単体を直接樹脂などに混合してしまうとその光触媒機能により樹脂そのものを分解して、変色させ、ぼろぼろになってしまう。これは樹脂に限らず、繊維や紙、フィルムでも同様で光触媒の応用範囲を妨げる最も難しい問題点である。

それを解決するための試みとしては、マスクメロンのような多孔質のシリカで二酸化チタンを覆った材料を繊維に固定する方法が提案されている。

この構造では、繊維と二酸化チタンが直接触れないため、繊維の劣化は起こらないという。しかし、シリカは物質を吸着する機能に優れているわけではないので、単なるスペーサーとしての役割のみである。

アパタイトを被覆した二酸化チタン粒子は、表面をアパタイトが覆っているため、これを樹脂などに混合しても二酸化チタンと樹脂が直接接しないため、痛めることがない。

アルデヒド類などの有害成分は、アパタイトに吸着され、これを二酸化チタンが分解する。すなわち、この複合材料により今まで不可能であった樹脂への混合と物質の吸着を同時に可能にしている。

投稿者 Webmaster : 11:25 | コメント (0)

トルエンの分解試験

アパタイト被覆二酸化チタンと二酸化チタン単体でのトルエンの分解試験を行った。試験開始から60分は遮光状態にし、60分後から光を照射した。

試験開始後60分の遮光状態では二酸化チタン単体では、ほとんど変化がないのに対し、アパタイト被覆二酸化チタンでは、80%以下にまで分解している。

また、120分後(照射開始から60分後)には、二酸化チタン単体は、35%までしか分解できなかったのに対し、アパタイト被覆二酸化チタンは、10%以下にまで分解している。

このようにアパタイトと二酸化チタンを複合化することにより、光が当たらないと機能しないという二酸化チタン単体の欠点を克服し、アパタイトのタンパク質やアンモニア臭、 NOxなどの吸着機能を付与することで、次のような特徴が挙げられる。

  1. 夜間など光が当たらない時でもアパタイトが物質を吸着する。
  2. 光が当たるとアパタイトが吸着した物質を二酸化チタン光触媒が分解する。
  3. アパタイトがスペーサーとなるため直接光触媒が基材に触れない。
  4. 光触媒が有機物を分解するのに一定の時間を必要とするが、アパタイトが吸着した物質を逃がさないため確実に分解することができる。といった長所を持つことができるようになる。

投稿者 Webmaster : 11:19 | コメント (0)

アパタイトを被覆した二酸化チタン

二酸化チタン光触媒の表面をアパタイトで覆うことにより、アパタイトが細菌や有機物質を吸着して二酸化チタンが分解する多機能性セラミックス複合材料です。

アパタイトは生体内で生成されることから、アパタイト ができやすいようにPHや組成を調整した擬似体液を開発した。液温を体温に近い37゜Cに設定し二酸化チタン粉末や薄膜を浸漬することで表面にアパタイトを析出させています。

アセトアルデヒドや大腸菌などを用いた実験により、この複合材料の吸着・分解の効果が確認できた。二酸化チタン の光触媒機能に加え、アパタイトのタンパク質やアンモニア臭、NOxなどの吸着機能を付与することで、光の有無に関わらず細菌やウィルスを吸着する事が可能になった。

吸着した物質は、光が当たると二酸化チタンの作用により分解されるため、アパタイトの吸着能力はその都度回復する。

さらに、アパタイトがスペーサーとなり二酸化チタンが直接媒体と接触しないことにより、従来不可能であった有機系の媒体(繊維、樹脂、プラスチックス、木材、紙等)に練り込んだり被覆することもでき、二酸化チタンの応用範囲を飛躍的に拡大する可能性がある。

病院のタイルや空気清浄機のフィルター、たばこの臭いの消臭に衣類の繊維に混ぜたり水耕剤倍、風呂、花瓶などの水の浄化、室内のカビ防止などに利用できるだろう。

投稿者 Webmaster : 11:19 | コメント (0)

アパタイト被覆二酸化チタン光触媒とは?

アパタイトにも光触媒にもさまざまな欠点がある。それを補うためには、アパタイトと二酸化チタンの複合化が効果的です。

アパタイトとは歯のエナメル質の95%、骨の65%を構成する物質です。アパタイトは、タンパク質や物質の吸着能に優れ大量の細菌やウィルス、アンモニアや窒素酸化物、アルデヒド類などを吸着することができるため環境浄化材料として利用できますが、その吸着機能はいずれ飽和してしまうため、定期的な交換が必要となり、半永久的に吸着機能が続くわけではありません。

したがって、アパタイトの吸着機能を持続させることができれば、環境浄化材料としての応用範囲が広がります。一方、二酸化チタン光触媒は、光を当てることにより、非常に強い酸化力を生じ、接触してくる有害化学物質や細菌、カビ、臭い、汚れなどを分解し、炭酸ガスなどに分解・除去することができます。

反面、物質や菌などを引き寄せたり多量に吸着する作用はないため、表面に接触してきた物質しか分解できないし、光が当たらないと機能しないなど、問題点も多い。そこで、アパタイトと 二酸化チタンを複合化すれば、物質を吸着して分解する多機能材料を創生することができると考えられる。

アパタイト、二酸化チタンの欠点を補い、長所を引き出すため二酸化チタンの表面をアパタイトで覆った複合セラミックス材料とすることにより、次のような特徴が挙げることができる。

  1. 吸着・分解機能をもたせることができる。アパタイトが吸着した細菌やウィルス、アンモニア臭等を二酸化チタンが分解する多機能材料となる。すなわち、アパタイトが捉えた物質を光触媒が分解するため、アパタイトの吸着機能はその都度再生し、半永久的に使用を続けることができる。
  2. 夜間にアパタイトが吸着した雑菌などの物質を、日光が当たる昼間に光触媒の作用で除菌・分解できる。
  3. アパタイトは吸着機能だけでなく、有害物質と光触媒を隔離する働きもする。したがって、アパタイトを被覆した二酸化チタンをプラスチックや繊維、紙などの有機系の媒体などに混合しても機材を分解しない。

光触媒は、有機物を完全に炭酸ガスと水にまで分解するのに一定の時間が必要である。しかし通常、空気中や水中の物質が光触媒表面に留まっていることは稀だと思われる。このアパタイト被覆二酸化チタン光触媒は、アパタイトが物質を捉えておいて二酸化チタンで分解することができ、わずかな光でより確実に物質を分解することができます。

投稿者 Webmaster : 11:10 | コメント (0)

光触媒とは?

光触媒はさまざまな有機化学物質や悪臭、菌、カビなどを薬品等を使用せずに分解・処理することができます。

光触媒とは、光を吸収してエネルギーの高い状態となり、そのエネルギーを反応物質に与えて化学反応を起こさせる物質です。光触媒は光を吸収すると価電子帯に正孔ができ、電子と反応を起こします。

特に二酸化チタンは、安全で無害なため、光触媒としての研究が進められています。正孔は水や溶存酸素と反応しOHラジカルなどを生成し、これが有害物質を分解します。

OHラジカルは消毒や殺菌に主に使われている塩素やオゾンなどより強い酸化力を持っています。二酸化チタンでは太陽光や蛍光灯の光に反応します。

光触媒は、分解されにくいさまざまな有機化学物質や臭い、細菌、カビ、油汚れなどを、光を照射することによって分解・処理することができます。

特徴として、有害な物質が完全分解される、常温・常圧で行える、光以外は消費されるものがない、わずかな光でも作用するなどがあり、特に大気中や水中の希薄物質を分解除去するのに適しています。

しかも、二酸化チタンは熱的にも科学的にも比較的安定なセラミックスであり、光触媒として働いても自分は変化しないため、原理的には半永久的に使用できます。

投稿者 Webmaster : 11:07 | コメント (0)

2005年01月28日

アパタイト被覆二酸化チタン光触媒の応用

二酸化チタン粒子へのアパタイトの被覆

アパタイトは、二酸化チタンの表面を完全に覆っているのではなく、分散して析出しているため二酸化チタンの表面は、部分的に露出しており、その光触媒機能はほとんど失われていない。この複合化粒子アパタイト被覆二酸化チタンを用いれば、応用範囲が大きく広がる。

たとえば、今まで不可能であった有機バインダーや繊維、木材、プラスチックへの練りこみ・コーティングなどである。すなわち、表面をアパタイトが覆っているため、アパタイトがスペーサーとなり、二酸化チタンが直接接触しないため、これらの媒体を分解することがない。

従来の二酸化チタン単体の粉末は、繊維に練りこんでも繊維を分解してしまい、変色したりぼろぼろになったりして使用できなかった。また、白色顔料として使用されている二酸化チタンでも、塗料化した際に、やはり光により媒体を分解して塗料が粉状になってしまうことがある。道路のガードレールなどを触ってみると、粉が手についてくるのを体験した人も多くあろう。チタンの光触媒作用で塗料に含まれている有機バインダーが分解してぼろぼろになってしまった結果である。

以上のように、環境に優しい材料製法プロセスを用いてアパタイトを二酸化チタンに被覆することができた。この複合材料は、アパタイトの吸着機能に加え二酸化チタンの分解機能を付与することで、光の有無にかかわらずアパタイトが細菌やウィルス、アルデヒド類などを吸着し、これを二酸化チタンが分解する。そのため、従来では使用期限が限られていたアパタイトを、半永久的に使用できる。

このように、複合化材料により、従来のアパタイトや二酸化チタンの応用範囲を飛躍的に拡大する可能性がある。

また、紫外線から皮膚を守るために二酸化チタンを配合した化粧品が商品化されているが、光触媒作用による皮膚への影響が懸念されている。アパタイトは皮膚にもなじみがよいので、アパタイトを被覆した二酸化チタン粉末は、化粧品などにも効果を発揮するだろう。

衣類、インテリア、カーテン、照明器具、建材、外壁、包装用シート、農業用シート、塗料、自動車、列車などへの利用拡大が期待される。窒素酸化物その他、有害物質も吸着除去できるため、道路壁や舗装材、屋根、高速道路の防音壁へのコーティングも効果的である。今後は住宅関連や医療、農業、漁業分野などあらゆる分野への応用範囲は拡大するであろう。

投稿者 Webmaster : 16:22 | コメント (0)

アパタイトと二酸化チタンによるハイブリッド光触媒

アパタイトは、細菌やウィルスなどのタンパク質やアンモニアや窒素酸化物、アルデヒド類などの吸着能に優れ、それらを大量に吸着することができる。

そのため環境改善材料としての利用も可能である。一方、光触媒は光を照射することで強い酸化力を生じるため、有害な有機化学物質や細菌、臭いなどを分解し炭酸ガスや水などに分解・除去することができる。

反面、樹脂や有機系の塗料や繊維などに粉末を混合すると機材やバインダーそのものを分解して、変色させたりぼろぼろにしてしまうためそのままでは混合して応用できない。また、大気中に浮遊したり水中の分散している有機物や細菌などをその表面に引き寄せたり多量に吸着しておくことはできないため、たまたま接触した物質しか分解できない。

さらには、最も重大な欠点として、光が当たらないとまったく機能しないことが挙げられる。

そこで、これらのアパタイトや二酸化チタン光触媒の欠点を補うため、二酸化チタンの表面にナノメートルオーダーのアパタイト結晶を析出させた複合材料が開発された。

この複合材料は、以下のような点で優れており環境浄化材料としての応用範囲を飛躍的に拡大する可能性がある。

  • アパタイトが吸着した物質は光が当たれば二酸化チタンが分解・除去するためアパタイトの吸着能はその都度再生し半永久的に使用を続けることができる。すなわち、吸着・分解機能を有する複合材料である。
  • 夜間など必ずしも光が当たらない状況や光が微弱な場合でもアパタイトは多量の細菌や物質を吸着しておくことができる。一般家庭の室内の有害物質程度であれば何日かは光がなくても吸着・除去できる。
  • アパタイトは有機物質と光触媒を隔離する働きもする。したがってアパタイトを被覆した二酸化チタンをプラスチックや繊維、紙などの有機系の媒体などに混合しても二酸化チタンと基材が直接接触しないため、基材を分解することがなく、この複合材料はそのまま混合することができる。
  • アパタイトで捉えておいた物質を二酸化チタンで分解することができるのでわずかな光でも確実に物質を分解できる。光触媒は、通常有機物を炭酸ガスと水にまで分解するのに一定の時間が必要である。しかし、空気中や水中の物質が光触媒表面に留まっていることはむしろ稀でたまたま一定時間表面留まっていた物質しか分解できない。

投稿者 Webmaster : 12:46 | コメント (0)

会社案内

会社名
株式会社ナノウェイヴ
英文社名
NANOWAVE.Co.,Ltd.
取締役社長
稲垣 博
住所
〒489-0912愛知県瀬戸市西松山町二丁目145番地
TEL
0561-82-9471
FAX
0561-82-9579
E-mail
資本金
30,000千円
事業内容
アパタイト被覆二酸化チタン光触媒材料製造販売
環境保全用セラミックス触媒製造販売
環境測定事業
光触媒研究開発事業
沿革
・平成18年3月資本金を30,000千円に増資。
・平成15年5月株式会社ナノウェイヴを設立。資本金10,000千円。
関連企業
鈺昇奈米光波有限公司
Nanowave Plus Co., Ltd.
2F-7, No288, Yongji Rd., Sinyi District, Taipei City 110, Taiwan.
Contact person : Mr.Tony Hsieh Ms.Katy CHEN
TEL: 886-2-2766-6168
FAX: 886-2-2769-9987
e-mail: nanowave.tw@gmail.com



NANOWAVE KOREA



NANOWAVE CHINA



投稿者 Webmaster : 09:28 | コメント (0)