トルエンの分解試験

アパタイト被覆二酸化チタンと二酸化チタン単体でのトルエンの分解試験を行った。試験開始から60分は遮光状態にし、60分後から光を照射した。

試験開始後60分の遮光状態では二酸化チタン単体では、ほとんど変化がないのに対し、アパタイト被覆二酸化チタンでは、80%以下にまで分解している。

また、120分後(照射開始から60分後)には、二酸化チタン単体は、35%までしか分解できなかったのに対し、アパタイト被覆二酸化チタンは、10%以下にまで分解している。

このようにアパタイトと二酸化チタンを複合化することにより、光が当たらないと機能しないという二酸化チタン単体の欠点を克服し、アパタイトのタンパク質やアンモニア臭、 NOxなどの吸着機能を付与することで、次のような特徴が挙げられる。

  1. 夜間など光が当たらない時でもアパタイトが物質を吸着する。
  2. 光が当たるとアパタイトが吸着した物質を二酸化チタン光触媒が分解する。
  3. アパタイトがスペーサーとなるため直接光触媒が基材に触れない。
  4. 光触媒が有機物を分解するのに一定の時間を必要とするが、アパタイトが吸着した物質を逃がさないため確実に分解することができる。といった長所を持つことができるようになる。