光触媒とは

光触媒はさまざまな有機化学物質や悪臭、菌、カビなどを薬品等を使用せずに分解・処理することができます。

光触媒とは、光を吸収してエネルギーの高い状態となり、そのエネルギーを反応物質に与えて化学反応を起こさせる物質です。光触媒は光を吸収すると価電子帯に正孔ができ、電子と反応を起こします。

特に二酸化チタンは、安全で無害なため、光触媒としての研究が進められています。正孔は水や溶存酸素と反応しOHラジカルなどを生成し、これが有害物質を分解します。

OHラジカルは消毒や殺菌に主に使われている塩素やオゾンなどより強い酸化力を持っています。二酸化チタンでは太陽光や蛍光灯の光に反応します。

光触媒は、分解されにくいさまざまな有機化学物質や臭い、細菌、カビ、油汚れなどを、光を照射することによって分解・処理することができます。

特徴として、有害な物質が完全分解される、常温・常圧で行える、光以外は消費されるものがない、わずかな光でも作用するなどがあり、特に大気中や水中の希薄物質を分解除去するのに適しています。

しかも、二酸化チタンは熱的にも科学的にも比較的安定なセラミックスであり、光触媒として働いても自分は変化しないため、原理的には半永久的に使用できます。

光触媒に使用される物質について

光触媒には「二酸化チタン」が主に使用されています。

二酸化チタンは、人体への影響が小さいと考えられているため、食品や化粧品の着色料(食品添加物)として利用されています。また、日焼け止めなどにも含まれており、とても身近なものです。

この二酸化チタンを光触媒として使う場合、粉末であるために何かに固定して使用することが必要となっています。
そこで、歯や骨の主要構成成分になっているリン酸カルシウムの一種である「アパタイト」に被服することにより、光触媒として利用することができます。