可視光応答型光触媒プレス発表資料

可視光応答型光触媒プレス発表資料

2009年04月02日

繊維やプラスチックなどに使用可能な低コストの可視光応答型光触媒を開発
-色が黄ばんで見えず、アセトアルデヒド分解性能や抗菌効果も大幅に向上-

平成21年3月30日
独立行政法人 産業技術総合研究所

■ ポイント ■

  • 蛍光灯下で働き、これまで効果の出にくかった紫外線の少ない室内や車内で使用可能。
  • 酸化チタン、アパタイト、鉄を組み合わせ、低コストを実現。
  • 抗菌防かび、脱臭、大気浄化、水質浄化、防汚などへの応用で、光触媒市場の拡大に期待。

■ 概 要 ■
独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)サステナブルマテリアル研究部門【研究部門長 中村 守】環境セラミックス研究グループ 垰田 博史 研究グループ長は、脱臭や抗菌効果に優れ、繊維やプラスチック、紙等に使用可能で色が黄ばんで見えない汎用性の高い高性能かつ実用的な可視光応答型光触媒を開発した。これは従来の可視光応答型光触媒と異なり、貴金属や希少金属などを使用せず、安価で安全な酸化チタン、アパタイト、鉄を効果的に組み合わせたもので、光触媒スラリー1kg 当たり数千円レベルという低価格で供給できる見通しである。
酸化チタン、アパタイト、鉄の比率を最適化することにより、人体に有害なアセトアルデヒドの分解性能が、可視光応答化していない従来品に比べ、蛍光灯下で 5.9 倍向上した。また、アセトアルデヒドが二酸化炭素と水にまで完全に酸化分解していることを確認した。車内、喫煙室、トイレなど、紫外線の少ない場所での実際の脱臭効果のほか、黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果とNOx 浄化効果も確認した。これまで効果の出にくかった室内などでの光触媒の用途が拡がり、光触媒市場が大きく伸びるものと期待される。

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